活用事業のご紹介

花沢の景観と歴史文化を守り、伝える
~花沢地区ビジターセンター~

花沢地区の風景

花沢地区ビジターセンターが整備されました。
全国の皆様、ありがとうございます!

焼津市北部にある江戸時代から続く伝統的な建造物が多く残る花沢地区内に地区の景観と歴史を伝える「花沢地区ビジターセンター」を令和3年3月に開設いたしました。


花沢地区はどんなところ?

長屋門長屋門

花沢地区は焼津市の北部に位置する南北に長い谷地にあります。歴史ある山村集落で江戸時代には楮(こうぞ)やアブラギリなどの商品作物を、明治時代からみかんや茶、養蚕などが盛んになりました。
特にみかん栽培は花沢地区を潤し、作物のみかん貯蔵などに使用された附属屋が街道沿いの石垣の上に多く建ち並び、独特な歴史的おもむきを感じることができます。附属屋の中には「長屋門」と呼ばれる二階部分を連結させた渡り廊下のような部屋が設けられるなど、生業に合わせて改築や増築をした形跡を見ることができます。
また、花沢地区は季節によって彩とりどりの花が咲き、集落越しに市街地や駿河湾を眺望できる展望スポットもあり、自然に囲まれ見どころ溢れる地区となっています。


昔ながらの工法を用いた施設

花沢ビジターセンターの外観花沢ビジターセンターの外観

花沢ビジターセンターは令和3年3月に開館しました。改修前は長い間空き家であり、雨などの影響で建物はたいへん傷んでいました。施設の改修にあたって、外観や構造は歴史的な造りを残しつつ耐震補強などを新たに行い、安全性を高め、花沢の伝統的な建物として修理を行いました。柱や梁などは傷んだ部分だけを取り換えるなど、現代の職人による技術も間近で見ることができます。


魅力的なセンターの内部

  • 花沢ビジターセンター内部花沢ビジターセンター内部1
  • 花沢ビジターセンター内部花沢ビジターセンター内部2

花沢ビジターセンターは地区の伝統的な家屋を体感できる見学施設として、間取りや構造はそのままに修理を行いました。施設内にはWi-Fi設備を設置しており、YouTube動画で説明を聞くことができます。ハイキングなどの際に縁側に腰を下ろして休憩していただいてもかまいません。このほか、地区の皆さんの集会所として活用されたり、災害時の一時的な避難所としても利用されており、まちづくりや防災の拠点施設としても役立っています。


地域の寄り合いの場として

歴史民俗資料館 鈴木係長歴史民俗資料館 鈴木係長

花沢ビジターセンターを管理する焼津市歴史民俗資料館の鈴木係長に話しを伺いました。花沢地区が国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定され、国、県の補助のほか、ふるさと納税による全国からの多くのご支援により、住む人も訪れる人も花沢地区の歴史的おもむきを楽しみ、感じることができるようになったことを大変感謝していました。また、花沢ビジターセンターも、年間1万人以上にご来館いただき、リピーターも多く訪れていることや、地区の皆様による、手作りの椅子やベンチの整備のほか、毎日花を活けていただいたりなど、多くの方にとても可愛がっていただいている施設です。さらに、花沢地区ビジターセンターでは、市内焼津高等学校や、焼津市観光協会が組織する「やいづ観光案内人の会」などとコラボした揮毫(きごう)イベントなども実施しており、今後も様々なイベントを企画していく予定です。鈴木さんは「これからも地区の皆様と行政の両輪で保存活用事業を進めていきます。」と話していました。


花沢ビジターセンター

花沢ビジターセンター

  • 開館日時
    水曜日~日曜日9:00~16:00 (休館日:月・火)
  • 住所
    〒425-0001 静岡県焼津市花沢33
    ※お車でお越しの方は花沢観光駐車場をご利用ください。
  • TEL
    054-629-6847
  • E-mail
    rekimin@city.yaizu.lg.jp
  • URL
    https://www.city.yaizu.lg.jp/rekimin/20210319.html